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当ブログではこれまで、機械翻訳自体の説明や使いこなすテクニックについて、お伝えしてきました。皆さんの中には、実際のビジネスシーンでどう生かせるの?という疑問をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。そこで、今回からビジネスシーンでの機械翻訳の活用例を紹介します。

今回のテーマはビジネスメールです。メールの翻訳に、時間とお金をかけることが現実的でないとはいえ、機械翻訳では正確な英語になっているか不安が残るのではないでしょうか。そんな悩みをお持ちの方のために、今回はメールを機械翻訳するときに気を付けるべきポイントを紹介します。

以下は、会議での決定事項について顧客へ確認を依頼するメールです。

左が日本語の例文、右がGoogle 翻訳で作成した英語です。

ブラウン様  
先日はウェブ会議のお時間をいただき、ありがとうございました。
下記の通り議事録を作成しましたので、ご確認ください。  
・12月までの完了を目指す
・7月までにこちらから正式なスケジュールを提出する
・10月は海外出張でご不在のため、ケイン様が代わりに窓口をされる  

何か漏れや間違いがあれば、ご連絡ください。
引き続きよろしくお願いいたします。

山田太郎
Mr. Brown  
Thank you for taking the time to participate in the web conference the other day.  
Please check the minutes of the meeting as below.  
・Aim to complete until December
・Submit the official schedule from here by July
・In October, Mr. Kane will be in charge of the counter because he is away on an overseas business trip.  

If anything is missing or wrong, please let us know.
Thank you for your continued support.  
Yamada Taro

上記の例文には、日本語の意図と異なる英語になっている箇所があり、そのまま送ってしまうと間違った情報が相手に伝わって、相手に悪い印象を抱かれる可能性があります。少しの工夫で、日本語の意図に沿った文章に変えることができるケースもあるので、一緒に見ていきましょう。

●代名詞を使うときは慎重に

代名詞を使用した場合、日本語の意図と異なる英語になってしまう場合があります。例文では、「こちらから正式なスケジュールを提出する」という表現の「こちら」が場所として認識され、「here」という英語になっています。このままでは正しく情報が伝わりません。

以下のように代名詞を使わない日本語に書き換え、具体的な名詞を使用することで正確な英語になるケースがあります。

修正前:7月までにこちらから正式なスケジュールを提出する

Submit the official schedule from here by July

修正後:7月までに当社が正式なスケジュールを提出する

We will submit the official schedule by July

「こちらから」を「当社が」に書き換えることで、日本語の意図が反映された英語になりました。

●主語の省略は避ける

主語を省略してしまうと、勝手に補われるケースがあります。

5文目に注目してください。出張する人物はメールの送り先である「ブラウン様」ですが、「ケイン様」が出張するという誤った内容になっています。実際の人物名や送る相手送り先であれば、「あなた」を補うことで、このような誤りを防ぐことができます。

修正前:10月は海外出張でご不在のため、ケイン様が代わりに窓口をされる

In October, Mr. Kane will be in charge of the counter because he is away on an overseas business trip.

こちらの文章にはもう一つ誤りがあるので、次のトピックと併せて修正例を紹介します。

●日本語独自の表現は避ける

日本語独自の表現は正しく翻訳できないことがあります。例文では、担当者という意味で「窓口」という言葉を使用していますが、「受付カウンターの担当者」(in charge of the counter)という意味で訳されています。こういったケースでは、「窓口」という日本語独自の表現を避け、「担当者」といったシンプルな表現を使用することで、正確な訳になるかもしれません。

上述の主語の補完と合わせて、下記のように日本語を修正しました。

修正前:10月は海外出張でご不在のため、ケイン様が代わりに窓口をされる

In October, Mr. Kane will be in charge of the counter because he is away on an overseas business trip.

修正後:10月はブラウン様が海外出張でご不在のため、ケイン様が代わりに担当者をされる

In October, Mr. Brown will be away on an overseas business trip, so Mr. Kane will be in charge instead.

「ブラウン様」という主語を追加することで、出張で不在になる人物が明確になり、「窓口」を「担当者」に変えることで、日本語の意図した内容になりました。

以上のように、日本語に少し手を加えることで、翻訳結果が改善する場合もあります。しかし、機械翻訳は予知できないミスをすることがありますので、重要なメールでの使用には慎重になるべきです。機械翻訳の手軽さとスピードが必要になる場面もあると思いますので、その特徴を理解した上で使用することを勧めます。

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