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前回までのブログで機械翻訳のカスタマイズについてご紹介しましたが、今回は用語集について取り上げていきます。
機械翻訳の進化に伴い、用語集が使えるシステムも増えてきました。
Google 翻訳の場合は、Google Cloud Translation – Advancedエディションを利用して、用語集を使うことができます。

機械翻訳で用語集を使う目的、できること

• 用語の統一、さまざまな文書で用語の一貫性を保つ

• 自社で決められている訳語が適用できる

• 専門分野の用語の適用

• 固有名詞を正しく表記することができる(登録商標、製品名称、会社名、人名など)

• 間違って訳されることの防止

例: 「バット」は「vat」を意味する場合でも、機械翻訳では「bat」になってしまうことが多い
「バット」=「vat」で用語登録しておく

*省略語は正しく訳せない場合が多い

例: 「オリフラ」(オリエンテーションフラットの略)→ 機械翻訳では「ori-fra」など存在しない語になってしまう
「オリフラ」=「orientation flat」で用語登録しておく

機械翻訳で用語集を使った訳例

例1)自社で決められている訳語の適用

◎日本語
水洗槽のロットの処理時間を設定します。

◎機械翻訳の英訳
Set the processing time for lots in the flush tank.

「水洗槽」の英訳は「rinsing bath」を使うと自社の用語集で決められているので、「水洗槽」=「rinsing bath」で用語登録しておく

◎用語集を使った機械翻訳の英訳
Set the processing time for lots in the rinsing bath.

例2)同音異義語の誤訳防止

◎日本語
加工物が取り出し口に搬送されると払出ボタンが点灯します。

◎機械翻訳の英訳
When the workpiece is transported to the unloading port, the payout button lights up.

「払出」は「お金の払出」ではなく、「対象物を取り出す」の意味で使うことが多い場合は、「払出」=「discharge」で用語登録しておく

◎用語集を使った機械翻訳の英訳
When the workpiece is transported to the unloading port, the discharge button lights up.

例3)省略語の誤訳防止

◎日本語
顧客との打ち合わせ日程につきましては現法を通して検討します。

◎機械翻訳の英訳
The meeting schedule with the customer will be considered through the local law.

「現地法人」の略語として「現法」を使うことが多い場合は、
「現法」=「local subsidiary」で用語登録しておく

◎用語集を使った機械翻訳の英訳
The meeting schedule with the customer will be considered through the local subsidiary.

用語集を使うためには

Google 翻訳を使用する場合、「Google Cloud」で用語集を登録し、Advancedエディションに対応できる機械翻訳システムで用語集を有効にする必要があります。
前回ご紹介したカスタムモデルと同じく、Google Cloudや機械翻訳用の用語集の構築について知見のある翻訳システム提供会社や翻訳会社へのご相談をお勧めします。

われわれも用語集の試用を重ねてきましたが、必ずしもメリットだけではないということに気が付きました。用語集を使うことで発生する制限もあります。
また、人力翻訳に使う用語集をそのまま機械翻訳に用いることは適切ではありません。機械翻訳に適した用語集の作り方をする必要があります。
これらを理解いただいた上で、ご自身の用途に合った用語集を構築することが重要です。

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